黒曜の戦場


「いおりも餓鬼だし生意気だよ」



未夜くんがお返しとばかりにいおりさんにそう言うもんだから、私は一瞬ビビってしまう。



「あ?んな事知ってんだよ。ココにいる奴は皆クソ生意気でクソ餓鬼なんだよ。咲だってクソだろ」

「咲くんはクソじゃないよ」



今度は私が言い返すけれど、いおりは首を振ってヤレヤレと態度で示している。



「アイツもクソ餓鬼だしクソ生意気だし、ここでトップ張ってるくらいのクソヤンキーだ。ただ人の使い方がクソうめぇだけ」

「全然ヤンキーっぽさないのに……」



咲くんは物腰柔らかくて、なんだか大人って感じがするし、なんか色気もむんむんするし……。

彼らと同じような感じは、全然しないんだけどなぁ。



けれど確かに、このいおりさんや未夜くん、雨林さんや、ベルギー(色)の彼らを含む下々ーズの頂点に立つ人というのは事実らしい。



「甘ったりぃ態度取ってんのは、お前のこと逃がしたくねぇからだろ」



え?と少し考えるけれど……それはきっとアシスタントとして、絵を描ける人としてで。

女の子のポーズモデルとしてでもあるんだろう。
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