黒曜の戦場


彼は確かに、私にこれからもここに来てお手伝いして欲しそうであった。



「私みたいな子、探せば結構いそうなのに」

「ウチの美術部に勧誘行った時でも全滅だったけどな」

「美術部まで行ったのに?」



ウチって……えぇと、高校生、だよね?この人たちは。

未夜くんは中学生っぽいけれど。



全滅……?

絵が描ける子が特に集まる場所といえば、美術部だろう。

絵が好きな子がいれば、絵が上手い子もいる、絵を上手に描けるようにしたい子もいるかもしれない。

三学年の中から集まっている子達だ、特に上手く描ける子なんて何人か出てくる、はず。



「美術部って男子部員少ねぇだろ」

「……そうですね」

「芸術肌の奴は大体どっかしら頭のネジがイカれてるもんだ」

「そうで………………え?」



うん?なんか今すごく侮辱されつつ自滅もなされたような言葉が聞こえたような気がする。



「机に張り付いて何時間も同じ作業出来んのはそもそもネジが外れてんだよ、飽きるっていう自然のストッパーが効かねぇんだから」

「……わかりみすぎる件ですけれど、それはちょっと酷いというか……」
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