黒曜の戦場


とか煩悩を胸の中の金庫に隠しつつ、平静を装い未夜くんに笑いかける。

金庫のパスワードは3839で決定である。



「咲くんの隠し事のこと?」

「咲、隠してるの?」



くりりとした未夜くんの瞳が、プルシアンブルーの前髪の隙間から覗き、じっと咲くんを眺めている。

咲くんもふわりと笑って首を傾げるから、両手に花……いやいや、琥珀ちゃん、自重しよう、自重。

金庫の鍵が秒で破壊されそうではないか。



深呼吸をするべきだ、ひっひっふぅ。

ダメだこれ産まれちゃうやつだわ。



ダメだ今日の未夜くんは刺激が強い。

なので気を取り直して咲くんへとグリンッと首を回す。



「咲くんは色々と謎めいている」

「琥珀ちゃんがあまりにもいいリアクションしてくれるから、打ち明けがいがあるんだよ」

「意地悪」

「咲は結構、腹黒いから」



……!!!

やっぱり、咲くんて意地悪でお腹真っ黒なんだっ!!

どうもたまに強引に話を進めちゃうところがあると思ってたんだっ!!
(琥珀ちゃんがチョロいのもある)



はわわわわっと口に手を当てて眉を顰めれば、また咲くんが綺麗にくすくすと笑う。

そんなあどけない顔には騙されないんだぞっ……!!

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