黒曜の戦場
なんだ?だれだ?私に用なのか?と思い、トーンの違和感がないことを確認してからそちらを見上げる。
と、そこには眉間にシワを寄せたガチヤンキーが、私の後ろに立っていたのだ。
ヒェッ!!!
「なんっ…………!!?」
私、なにか粗相をしたのだろうか?
まさか時間差で締め上げられでもするのだろうか?と思っていたら、そのゴツい左手が机をドンする。
机ドンだ。
なんのキュンもない恐怖の机ドンである。
「…………お前」
「ひぁ……」
琥珀ちゃんの瞳は徐々に潤んでくる。
怖くないとか嘘だよやっぱりこの人怖いよベルギーズ!!!
そりゃ震えるよね!!えぇ!!震えますとも!!!
雪山で熊さんに壁ドンされているようだよ!!!
熊さん冬眠するから雪山にいないだろうけどな!!!
「なん……ですかっ……?」
机ドンされて見下ろされているその視界の中には、私しかいない。
どう足掻いたって用があるのは私でしかない。
「名前」
「は……?」
「お前の名前言え」
…………それはそろそろ覚えて欲しかったな!!!!
ついさっき三回は『琥珀ちゃんです!!!』って名乗ってたよ!!?
ちなみに昨日も名乗りましたっ!!!
琥珀ちゃんは主張が強いのですっ!!!