黒曜の戦場
そう言い切ってしまう咲くんには、本当に大丈夫のように思わされる力があると思う。
根拠なんてわからないし、自分の認められない作品を他人に見てもらうなんて、申し訳なさも湧いてしまう。
けれど、きっと。
この人になら本当に、大丈夫な気がしてきてしまう。
「じゃあ……今度は絵を持ってお邪魔しますっ」
「楽しみにしてるよ」
鞄の中には、三日分のアシスタント代。
もうちょっと技術を身に付けたら、時給アップもしてくれると言われた。
これで、この前散財した画材代もチャラである。
それは嬉しい、嬉しいのだけれど。
黒曜の一員として、みんなと共同作業出来る新しい環境の仲間に入れたという事実が、一番嬉しい琥珀ちゃんでした。むふふっ。