黒曜の戦場

13.なぜいる?



────そこは埃臭くて汗の匂いやら木の匂い、あらゆる匂いの籠る、狭い、薄暗い闇の中でした。



「アンタ咲さんたち侍らして何調子付いてんの?クソが」



この辺で既にお察し出来ちゃう方には十分な要素が揃っているかと思われますが。



「ほんと信じられない!未夜さんに何したのよっ!なんでこんな頭すっからかんな奴に……!!」

「二人とも落ち着いて。絵すら描けなくなったこの子の魅力なんて、色気も出せない鼻垂らしたただのガキなんだから。そのうち飽きられるでしょう?」



くすり、歪んだ笑みを向ける最後の人が一番怖い。

ていうかガチで鼻垂らしてたから、反論が全く出来ない……!!!



その通りでありすぎて!!

反論!!しようが!!ない!!!!

残念……!!!!



捻ってしまった手首と、強打した顔面をよしよしすることで忙しい琥珀ちゃんの上から降ってくる声は、どことなくキレられていらっしゃるようなドスの効いた声たち。

体操服では少し肌寒かった。



「いや、侍らせてなんて、いないのですけれど……」

「はぁん!?ぶりっ子クソ雌がちやほやされてんじゃねぇよドクズが!!」

「えぇ……」

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