黒曜の戦場
「描くならp2、3、4、8、9と……14、15、18〜24辺りにある小物を下描きして持ってこい。キミつけペン使ったことある?」
「……ありません」
「じゃあ下描きだけとりあえず任せる」
小物のページそんなにあるの??
多くね???
というかぶっつけ原稿用紙に描いていいの?
怖いから薄めに描いとこう。
どうせ下描き線消すだろうし。
というか何系の漫画描いてるんだこの人達?
疑問しか湧いてこないけれど、そんな切羽詰まってる人達相手じゃ答えてもらえる余裕もなさそうだ。
抱き縋っていた上裸の二人の件もある、けど……これ以上はもう作業に入った方がいいのかもしれない。
すごく気になりはするけど、後で聞けそうな時に聞いてみよう。
「その小物のページたちは……どこにあるんですか?」
「は?知らない。探して」
知らない??????????
え!?は!?なっ……!!?
どういうこと!?
「ベタと消しゴムかけしてる奴のどっかにあるだろ」
「ベタ……?」
「あいつらのうちのどっかのページ」
それは……あの信号さんたちにも声をかけないといけないということでは……??
私は思っていたよりも過酷な状況の中に身を置くことになったということを、思い知る。