黒曜の戦場
にっこーというか、朝日のように眩しい笑顔がペッカーと向けられていて。
登校して来た時よりも外野が湧いていた。
「マジですか」
「もちろん」
もちろんなんだ????
雨林さんは私の横を通り過ぎて未夜くんの前に出る。
クラスの人達が慄いて数歩下がっていた。
なぜこの人はこんなにもご機嫌ナナメなのか……!!
「未夜、教室戻れ」
「やだ」
「やだじゃねぇんだよガキ」
「ていうかなんで未夜くん、私の教室……どころか席まで、知ってたの??」
空気の読めない琥珀ちゃんは、咲くんのニコニコパワーで気を強く持てているのか、そう横から口を出していた。
クラスの人たちが『お前マジか』って顔で琥珀ちゃんを見ている。きゃっ!恥ずかち!
「私誰にもクラス教えて……ませんよね??」
咲くんにそう向くけれど、彼はニコッと笑って「うん」と頷く。
ならなぜ三人も私のクラスに突撃しに来てしまわれたのか!!
「琥珀ちゃん、時々表彰されてたでしょう?」
「……うん??」
「あの頃から目を付けてたからね」
にこり、それはもう当たり前かのような笑顔で。
確かに私は去年の冬までは絵を描いては何かと送りつけて、賞を貰っては壇上に呼ばれていた。