黒曜の戦場
しかし実はここからが本番でありました。
「アンタ咲さんたち侍らして何調子付いてんの?クソが」
鼻血が奥からつぅ、と流れて来るのを感じながら、冒頭部分の状況へと繋がる。
明かりの付けられていない、真っ暗の倉庫の中。
「いや、侍らせてなんて、いないのですけれど……」
「はぁん!?ぶりっ子クソ雌がちやほやされてんじゃねぇよドクズが!!」
「えぇ……」
私はそんなことより、早く鼻血の対処がしたかった。
けれどしかし体育のすぐ後なんて何一つ持ち物なんてない。
手ぶらでしかない。
手を上げられそうな気配がするものの、鼻血を出しているからかその手が顔に落ちて来ることはなかった。
汚れちゃうもんね。
まさかmy鼻血がこんな時に役に立ってしまえるなんて誰が予想していたことだろうか。
ただの女子に対しては防御力を発揮するのか、鼻血。
まぁその鼻血が出てる時点で何も防御出来ていないのだけれど。
「あの、鼻……」
「ウゼェんだよ黙れクソ豚」
ティッシュ、持っていませんか?と聞きたかったのに。
やばい……豚なんて言われてしまったら。
豚を育てて出荷するあのゲームの豚ちゃんを思い出してしまうではないか……!!!