黒曜の戦場
「テメェら寄ってたかってウチの嬢ちゃんに何してんの?」
暗がりの中、奥から現れるのは、オレンジ頭にたくさんのピアスがキラリと光る、その人。
ビックゥ!!!と肩を跳ねさせる四人。
そう、四人だ。
なぜなら琥珀ちゃんもびっくりしているからだ!!
「い、いおりさん!?」
「おぉよ」
なぜなのか、首をコキコキ鳴らしながら体育倉庫の奥から現れたのは、キャラデザ担当・いおりさんだった。
いわば私の主である。
極悪面の雇用主の一人である!!
「お、おはようございま……」
ま……まで言った所で、私は三人からの訝し気な視線に気付く。
あ、今お昼だった。しかも学校だ。
つい条件反射で。
お三方から『お前今何時か知ってんの?寝てんの?』というような心の声が聞こえて来ないでもない。
しかしいおりさんはそんなこと関係ないようで。
「あー。はよ。んで?何お前鼻垂らしてんの?」
「ぶつけましたん……」
はよ、と挨拶を返してくれた上にニヤリと悪役のような笑みを見せる。
あれ、この人今一応ヒーロー側だよね?おかしいなぁ?
至極楽しそうにその光景を見回す。