黒曜の戦場


「それだけは!それだけはご勘弁を!!」なんて半泣きで。

すごい、三人揃って同じ動きをしているなんて、この三人通じ合っているな。



「え、なに?喰われてぇの?仕方ねぇな、明後日空けとけよ」



三人は目を見合わせてからブンブンと顔を縦に振っていた。

会話が成り立っていないのに交渉が成立してしまった!!?

いおりミラクルや……。

何が起きたのか琥珀ちゃんにはさっぱりである。

いおりさんはよく人を食べるのだろうか?カニバ?(ちがう)



いおりさんが手を上下にシッシとすると、その三人は慌てて体育倉庫から出ていった。

それをボーッと眺めていた琥珀ちゃんに合わせて、いおりさんがヤンキー座りで目を合わせる。



「っつっても、チクらないとは言ってねぇけどな」

「ほぇ?」

「お前の顔写真撮っていい?」

「やめてください!!!」



スマホをこっちに向けるな!!!

両手で顔の前をガードすると、またククッと笑われる。



「さっきのドカッて音はお前が顔面から突っ込んできた音ってことでOK?俺その音で起きたんだけど」

「つまりこんな所で寝てたってことですか」

「寝たの今日だかんな〜」



また深夜まで作業をしていたということか。
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