黒曜の戦場


その後すぐに肩から掛けられる、もふもふとしたもの。



「すんません、昼寝用に持ってきてるマフラーなんかですが……」

「いや、助かる。おら立つぞ」



また二の腕を掴まれると、引き上げられる。

というか昼寝用のマフラーって本来の使い道と全然違うよね????



私の脚は問題なく怪我もしていないので、歩けるけれど……。



「マフラーさんの持ち主さんの顔が……!!見られません!!」

「黙って借りてろ」

「ありがとうございます!!どなたか存じない方……!?」

「あ、いや俺……」



気持ち首をぺこぺこしてお礼を言っていると、私の視界に覗き込んで入ってくるその人。

艶めく青い髪がサラリと揺れて、私に目を合わせる。

……あれ?

この青髪……見覚えが……?



「女神さん」

「初日にぶっ倒れてた青髪くんではありませんか!!!!」



琥珀を「女神さん」と呼んだ、いっちばん最初の人ではありませんか!!!



こんなところで再会するとは思いもしていなかった琥珀ちゃんでありました!!

顔も服も血まみれの中、失礼しますん!!!
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