黒曜の戦場
「絵柄変えたし……」
「あんだけ散々修正させて被写体にもさせてあげたんだからマトモになってなきゃ私が損だわ」
「クソめんどくせぇ女だな!」
「物語のジャンル破綻させるレベルでぶっ込んで来て脱ぎ散らかす話を集中して読めるわけないでしょうが!骨格肉付き直ってんでしょうね!?」
「女体なんてもう隅から隅まで把握してんぜ」
「キモ」
あ、トドメ刺された。
パタリとベッドに寝転んで頭を枕に埋めるいおりさんは、ピクリとも動かなくなった。
案外この二人って仲が良かったりしたんだろうか?
「どうなの、いおの絵?見てられる?しんどくない?」
「……どれだけ酷いのを想定してるのか知らないけど、お話は咲くんが作ってるから急におかしくなってたりはない……と思う、たぶん、今のところは」
「そうなの?」
そんなみっちょんはどうやら彼らが描いている漫画自体のことは知らないようで。
……そうだよね、知ってたらクラスの男子が話してた漫画の話題に反応くらいするはずだもんね!!!
咲くんは「そういうのは今封印させてるから……」と困ったような笑みで返してくれるけれど……やっぱりまだみっちょんに苦手意識があるんだろうか?
というか、咲くんにも心当たりがあったのか、封印て。
「で?そのお手伝いが琥珀の逆ハー状態と朝と昼の件に関係あると?」
むんっと顔を寄せて説明を求めるみっちょんの圧に、私と咲くんでここ四日間の出来事を説明した。