黒曜の戦場
私に保健室のティッシュを押し付けたみっちょんは、いおりさんの方へと足を向けると、まだ拗ねているのか寝ているのかわからない枕元に立つ。
「琥珀が世話になったわね」
「……」
「琥珀に手ぇ出したらアンタらの原稿破りに行くから」
「は?」
「怖い怖い怖い怖い」
みっちょおおおおおん!!!
心的ダメージ削りに行くのほんと上手いなみっちょん!!!
自動的に連帯責任取らせるようなもんだよそれは!!
なんなら琥珀ちゃんにも皺寄せが来るよ!!!
「……ミツハ、なんか過保護になってねぇ?」
「琥珀と連んでたらみんなこうなるわ」
それは琥珀ちゃんと関わるとみんなママ化していくということでしょうか……!!?
咲くんも……!!?
その時、授業の前のチャイムが鳴り響く。
もうお昼休みもおしまいの時間だ。
私の隣では、やはりゲーム画面を開いている未夜くんが遊んでいる……って、今日は将棋なさっているのね。
「ということで。大体の事情は把握したし、授業行くわ……琥珀いけそう?」
「手当はしてもらったし、利き手も無事だからいけるよっ……!!」