黒曜の戦場


「痛かったら後で病院行きなさいよね?じゃ、私たち教室行くから」



そう言ってサラリと私のスクールバッグを持ってくれる紳士なみっちょん……!!!!

かっこいい!!惚れる!!!惚れた!!!



「ありがとうみっちょん!!」

「足は平気なんでしょうね?」

「膝ちょっと擦りむいただけだよ!!」

「じゃあ走るわよ」

「え」



保健室を出る時にみんなにバイバイと手を振っていると、琥珀ちゃんを置いて先に走り出してしまったみっちょん。

たしかに!五分で教室まで行くのは!時間が足りないけれど!!!

廊下は!!走っちゃ!!いけません!!!



「みっちょん待ってぇぇぇ」



急いで教室に戻って授業の準備をすると同時に、先生が教室に入ってくる。

クラスの人からの視線は相変わらずあって。

けれど、さっき私を体育倉庫に引っ張り込んだ三人は、決して私と目を合わそうとはしなかった。

いおりさん怖かったもんなぁ……。






そういえば、あれ?

『ミツハ』

さっき、いおりさん。

みっちょんの名前は間違わなかったな。


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