黒曜の戦場
「学校の奴らもどんな逆ハーパラダイスを妄想して妬み恨み連ねてんだか知らないけど、現実は不良のたまり場に働きに行ってるだけなのよね」
「安全と9時-5時は先に確保されていますっ!」
「応援はしておくわ」
もぐもぐ、ゆっくり食べていたのに、もう肉まんたちはお腹の中にはいってしまった。
美味しい物食べた後ってちょっと寂しくなるよね。
あー終わっちゃったぁ……って。
「琥珀」
サラリと揺れる、みっちょんの内巻きにカールした長い髪。
前髪の奥にある瞳は真っ直ぐと私の瞳を貫く。
「アンタが、あそこで探したいと言うなら、私は止められないけど。正直、反対したい気持ちもある」
「……みっちょん」
私が絵を描けなくなってすぐ、みっちょんは気付いた。
私の様子がおかしいと、問い詰められて。
私の中にあった芯となるものがふと消えたと、泣きべそをかいていた私の背中を摩って話を聞いてくれたのは、みっちょんだった。