黒曜の戦場
16.少女漫画漬けとは?
「くれぐれも!」
その場に収集されたメンツが、屋上の風に靡く巻き髪の中にある小顔に各々注目している。
両手を腰に当てた彼女は私の前に仁王立ちして、座らせた彼ら四人を見下ろして告げた。
「くれぐれも、ウチの琥珀を穢すことのないように誓って頂きたい」
みっちょんのその凛々しい眼差しは、黒曜のメンバーである咲くん、いおりさん、雨林さん、未夜くんを射抜いていた。
頭をこっくりこっくり、船を漕ぐ未夜くんに、みっちょんの右脚が上がる。
「待ってみっちょん!!!大丈夫だから!!!!」
その上げた右脚で何する気だったのみっちょん!!?
慌ててみっちょんの腕を引いて止めた。
みっちょんなら本気で蹴りかねない。
「なにも大丈夫じゃないのよアンタ、これから少女漫画漬けにするんだからね!!?」
「なんで少女漫画!!??」
みっちょんはグイグイと琥珀に迫ってくると、大きなため息をひとつつく。
ダメだよみっちょん!
幸せが逃げて行っちゃうよ!!!