黒曜の戦場
早くも主導権は我らがみっちょん様にある……!!!
琥珀も言葉遣いには気を付けねばっ!!
ふと、未夜くんの隣に座る雨林さんへと、みっちょんの視線が向く。
「そこのアンタ。全く会話に加わってこないけど聞いてんでしょうね?」
そう指摘するみっちょんが見ている先には、片膝に頬杖を立てている雨林さんが、面倒くさそうな顔して話を聞いている。
未夜くん同様、眠そうなような、けれど瞼はしっかりと開かれている。
だるそうな視線が私へと向き、それからみっちょんへと移される。
「俺はソイツに興味無いから。馬車馬のように働いてくれればそれでいい」
「いや全然よくないわ」
「ひ、ひどい……」
馬車馬……!!!!ひぇっ!!!
確かに雨林さんは仕事のことと未夜くんのこと以外は全然関わってこないとは思っていたけど!!
そんな扱いになっていたとは!!!
数日後にはこの人からペンテクを教わるだなんて、スパルタに間違いない……既に怖い。
「興味無いのはいいとして。ふざけた扱いするようならその利き手折るわよ」
「女に脅されたところで──」
「いおりが、だけど」
ヒュウ……と屋上の冷たい風が、私達の間を通っていく。