黒曜の戦場
「私が釘刺せる分は刺したから。なんかあったらいおか私に話すこと。危ないと思ったら何時でもいいから電話繋げること。防犯ブザーを身に付けておくこと。画材に釣られて遅くまで居座らないこと」
「ひぇっ!!!」
初日の自分を見透かされているようだった。
みっちょん、琥珀の生態を理解しすぎている!!すごい!!怖い!!!
「そういえば、少女漫画っていうならウチにもあるけど、それでもいいかな?」
相変わらず綺麗に正座している咲くんが片手を上げて発言する……けれど………………?
少女漫画まで持ってるの???
ほんと、咲くんはいろんなお話に手を出しているんだなぁと感心する。
「確かめに来る?一応恋愛シュミレーションゲームとかも揃ってるけど」
「……マジで?」
みっちょんが私を見るけれど、私はまだその漫画の置いてあるところを見たことがなかったから、首をふるふる横に振る。
「それは初耳だよっ」
「画材使い放題に、作画資料見放題に、(少女含む)漫画読み放題……?」
あ、みっちょんまでグラついている。
顔に「いいな」って書いてある。
そんなみっちょんの様子を見て、私は咲くんに目配せする。