黒曜の戦場
ゴットンと机にマグカップを打ち付けるとココアがこぼれそうになって、琥珀はヒヤッとした。
マグカップ割れちゃうから落ち着いて!!?
「で、でもたまり場って言った時、みっちょん黒曜かなんて聞いて来なかったのに……?」
「あの王子が不良の溜まり場にいるだなんて思わなかったのよ!いおならわかるけど……クソ頭固そうなメガネもいたしね」
「雨林さん涙目」
みっちょんの中では、相当雨林さんの印象が悪くなっているらしい。
まだ一度も名前を呼んでいる所を聞いたことがない。
まぁ初めましてが今日だったんだけど。
「ここに入るメリットあるわけ?」
「『騒がしくて仲間意識の強いたくさんメンバーと、仲良しになれる』そうです!!!」
「クソいらねぇな」
どんどんみっちょんの口調が悪くなっていくよっ……!!!
「どんな所かもよくわからないのに……よくもまぁホイホイと決めたわね?」
「さ、咲くんが絶対君主なのできっと大丈夫で……あとは画材……」
「絶対画材に釣られたでしょ」
背もたれにぐったりともたれかかったみっちょんは「はーあ」と大きな溜め息を吐きだして幸せを宙に散りばめていく。