黒曜の戦場


「青がm……青ちんくんに借りていたマフラーを取りに戻っただけです」

「そう」



応えながら、テレビの前のソファーに置いてあったマフラーを手に取る。

……今だかつて上司(?)のボッチ飯に遭遇するなんて事態を聞いたことがあっただろうか、いやない。

不良がボッチ飯というのもなかなか聞いたことがない。

不良は群れるものではないのだろうか。



なぜこんな所でポツリと一人で食べているのか不思議で仕方がないけれど、デリケートな問題だったらどうしよう……!!!



いっそ一緒に食べ……いや絶対それは拒否される。

それに不思議に思ったみっちょんや青ちんくんや未夜くんが入ってきてしまう可能性がある。

……未夜くんがこの事態を知っているのかは知らないけれど。



「『青ちんくん』ておかしくない?」



ぽつり、呟くようにそう指摘された。

確かにおかしいのは自分で言っていて思っていたけれど。



「……さっき呼び方を知ったばかりなので、慣れなくて」
「『くん』いらねぇだろ。あんた、あの生意気女には砕けて話してたんだからできるでしょ」

「女……って、みっちょんのことですか」

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