黒曜の戦場
ベッドに机、人一人寝転べそうなソファーがあって、冷蔵庫まで。
机の上には紙の束が置かれている。
一人暮らしのお部屋みたい……にしてはちょっと広いかな。
「ここ、咲さんの部屋よ」
「……咲くんの部屋?」
「こっちに来ればわかるわよ」
呼ばれるがままにみっちょんの後を追うように部屋を出ると、そこは黒曜の作業部屋に続いていて、ようやく現在地がわかった。
私はちゃんとまだ黒曜の倉庫の中にいる。
テレビの前から、なんだかドカドカというリズミカルな音が聞こえてくるのでそちらを向けば、そこには真剣な顔をして画面を睨みつけているいおりさんがいた。
その手には棒を持って、小さな太鼓をドカドカと叩いている。
なるほど、いおりさんが太鼓をたたいている音だったのか。
「フルコンボだドン!!」
「っしゃあ!!!!」
マジか!!!!
どうやら某太鼓のゲームにまで手を出していたらしい、いおりさん。
リズム感いいのかな。
「あ?出て来たな酔っ払い」
「もう酔っぱらってないですよっ!!」
「そりゃ残念」
「どういうこと」