黒曜の戦場
言葉足らず過ぎて、一瞬咲くんを固めてしまったじゃないか!!
琥珀ちゃん失敗!これじゃまるで唐突に告白したみたいな雰囲気になってしまったじゃないか!!
笑顔のまま未だ固まる咲くんに、そろそろ近い顔を離して欲しい……と思っていると。
突如横から伸びて来た腕に、肩を掴まれて引っ張られた。
「やっとみつけた」
肩で息をしているその人は、呼吸が乱れていて。
走って来たのかな?なぜここに?どういうこと?と頭の中で疑問がたくさん浮かぶ。
「あぁ、未夜。ゲーセンに遊びに来たの?」
「探しに来たの」
「随分、仲良しになったんだね。肩なんて掴んじゃって」
ひやりと、咲くんの声の温度が急激に落ちる。
私は未夜くんの肩口に顔が埋まってしまっていて、咲くんの顔が見えないけれど。
なんだか急に、空気が冷たくなった。
「咲こそ、なんで琥珀のことこんなところに連れて来て……」
「デート」
…………。
「でーと!!?!?」
「琥珀、耳元で騒がないで」
「ご、ごめん」