黒曜の戦場
まってまってまって、初耳なんだけど!!!
琥珀ちゃんはデートだと思って連れて来られたとは思ってなかったんだけども!!!
「まぁ、ネタ集めに連れて来ただけだよ。そんなに楽しいことはしてない」
「急に来ないって言われたら焦る」
「俺の決定事項に、未夜は口出せるの?」
どんどんと、雰囲気が悪くなっている気がする。
なんでそんなにピリピリしているんだ!
二人ともいつも穏やかだし仲悪くないよね!?
琥珀のせい!?
「ご、ごめん未夜くん!!えっとリンくんもいおくんも!!琥珀がおさぼりしちゃったから怒っちゃった!!?」
「いや、別に琥珀は何も……」
「……なんだか、俺がいない間に妙にみんなと仲が深まっているみたいだね」
ひんやりとした咲くんの声が、この場一帯を包む。
いつの間にやら私たちの周りからは人が退いていて、よく見たら黒曜の人たちも何人か離れたところにいるみたいだった。
「いいよ、今日はもう。騒ぎにしたくないし、話したい事も話せたから」
「え?」
「琥珀ちゃん、また時間つくってお話しようね」