黒曜の戦場
22.なんだろう、今のムズムズは?
「ただいまー!」
今日も作業を終えて咲くんに送ってもらった琥珀ちゃんは、楽しい気分でお家へと帰って来ました!
「おかえり琥珀ちゃん!」
パタパタと玄関まで出迎えてくれる私のママンは、今日もホワホワとした雰囲気でかわいいのだっ。
当たり前のように私から画材の入ったスクールカバンをサラリと受け取るママンは、「部活、楽しんでる?」と聞いてくるから、琥珀の胸がドキンと波打つ。
『部活』ということに、しているから。
「みつちゃんも同じ美術部なのよね?琥珀ちゃん、無理だけは──」
「琥珀は大丈夫だよ!先輩にもね、新しい画材を使わせてもらってるの!!」
「あらそうなの!琥珀ちゃん、ちょっとぼんやりしてるところがあるからママ心配で……この前だって遅くまで、お友達の所にお世話になっていたでしょう?ママやっぱり、そのお友達の子の家にお邪魔したお詫びの品でも──」
「ママ、今日のごはんなぁに?」
靴を脱ぎ、重い腰を上げてママンの顔を見上げる。
「……あら琥珀ちゃんたら!またお腹をたくさんすかせて帰って来たのね!今日はワンタンをつくったのよ〜」