黒曜の戦場
23.恋ってなんだろう?
「俺も琥珀とでーとする」
「………………ふぁい?」
よい子のみんなー?
こーんにーちはーーー!!
琥珀お姉さんだよぉー?
今日はぁー、黒曜でー、
トーンで『雲』を削っているよぉぉおおお!!!!
難しいよおおおおおお!!!
「み、未夜くん……?」
「俺も琥珀とでーとする」
「ふぁい?」
そして指導中に口説かれる琥珀ちゃん。きゃっ!!
先程と同じ会話を繰り返す私たちっ!!
未夜くんはなんてことない、いつも通りの綺麗で透き通っているような儚い顔だ。
そんないつも通りの可愛い顔で、でーとにって、でーとで…………でーと?(ゲシュタルト崩壊)
「あ、琥珀、ちょっと待って」
そう言って伸ばされる指先に、琥珀はパニックの頭のまま、言われたように固まった。
未夜くんの細長くて綺麗な指先が、今日も相変わらずぶかぶかの服の中からするりと伸びてきて、前髪に触れる。ナイス萌え袖。
さらり、優しく触れられるから、視線が合わせられなくなって下を向いてしまう。
うぅ、男の子に近付かれるのは琥珀、慣れていないんだよぅ……。