黒曜の戦場
すると天井にスッと視線を移したいおくんは、「あー……」と何か考えるようにして、今度は琥珀に近付いてきた。
手元の漫画にいおくんの影がさしたことで、琥珀はいおくんを見上げる。
「……?」
「お前、行くならミツハ連れて来いよ」
「…………?????」
うん……???
「俺もそれ行くわ。デート?」
「は?」
「……へ!!?」
どんな展開だ!?という衝撃で、パサリと漫画を机の上に落としてしまう琥珀。
思わず立ち上がって固まる未夜くん。
「は……なんで、付いてくる気になってんの……」
「み……みっちょんとデート!!???」
「お前はそっちに反応すんの?」
「みっちょんとわくわくうはうはデートっっっ!!?」
ど、ど、ど、どうしましょう!!?
まさかそんな、そうか、女の子同士でデートしてもいいじゃありませんかっ!!!
みっちょんとデート!?なんて素敵な!!!
「琥珀、俺とのデートなんだけど」
「……みっちょんと未夜くんに挟まれてのデート……!!?」
「with俺かよ」
いおくんがおまけみたいな展開になってしまった。