黒曜の戦場


「ミツハも一緒なら撮るだろ」

「なるほど」

「なんで琥珀とのデートなのに絵のこと考えないといけな――」

「加工したら白黒写真に出来るけど」

「……」

「あ!そしたらトーン作業する時にイメージしやすそうだねっ」

「…………」

「夕焼け空とか必須だろ」

「夜景とかも参考になりそう~!」

「………………はぁ。いいよそれで」



粘りに粘って折れてくれた未夜くんは机に突っ伏してしまった。

あらら、ごめんね?

でも未夜くんもぶつぶつと「光の当たり加減」とか「グラデーションが」とかぶつぶつ言っていて、だんだん声のトーンが上がってきているのでちょっと楽しそうだ。

デートを知らない二人で行くより、きっとみっちょんや経験豊富そうないおくんもいた方が、きっと何かとスムーズに進めてくれることだろう。



「むふふ、楽しみだなぁ。みっちょんに予定聞いてみないと!」



るんるんるるるん、漫画の続きのページを捲る琥珀はだんだん楽しくなって来て、読む手も止まらない。
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