黒曜の戦場
「赤だか青だか知らないけど誰か一人くらい、いおの居場所知らないの?」
両腕を組んで黒曜メンバーズを見下ろすみっちょん様。
ここにはみっちょん反対派がいないのか、みんな大人しくみっちょんにいい子で顔を向けて話を聞いてくれている。
子犬のような、眉を下げた表情をして……。
「…………アンタたちほんとはなんか知ってんでしょ?」
「ギクゥ!!!」
「おいバカっ!!」
「口開くんじゃねぇ!!」
ギクッて言った!!
今ギクッて!!口で言った!!!!
その時、トイレまでいおくんを確認に行っていた未夜くんも戻ってくると、琥珀と目を合わせてから首を振る。
「誰もいなかった」
「何考えてんのあのバカは」
焦りを見せるみっちょんは、なんだかとてもイラついているようで。
「あいつクソほど方向音痴の癖に」
「みっちょん、心配なんだね……」
「そんなんじゃないってば。……ったく、もう」
未夜くんが隣に座って、琥珀の肩をトントンと叩く。
琥珀は、どうしたもんかという顔のまま未夜くんを見上げると、彼は首を傾げて琥珀の顔を覗き込んだ。