黒曜の戦場


未夜くんは時々、距離感が近くなる時がある。

最近、それに少し慣れてきているような気がする。



「いおり、探す?」

「……さ、探してる」

「コイツら知ってそうなの?」

「そう、みたい?たぶん」



わからない、けど。

ギクゥ!って口で言ってたから、たぶん、知ってるのかなぁ……?



こくりとひとつ頷いた未夜くんは、地面に正座をしている黒曜メンバーズを見渡して、口を開く。



「いおりが黙ってろって言ったの?」



ビクゥ!!!っと黒曜メンバーズはみんな肩を跳ね上がらせた。

今ので結構核心を突いた質問と反応が返ってきた気がする。



この人たちみんな素直で可愛い子なんじゃないだろうか?

嘘付けない子かな?

琥珀にもわかりやすいなんて、よっぽど態度に出ちゃっているけど大丈夫……?



「いおくんが、黙ってろって……みんなにお願いしたってこと?」

「いや、命令でしょそこは」

「喧嘩は起きていないみたいだし、でも俺たちから離れた理由がありそう」



未夜くんはメンバーズを見渡してから、また口を開く。



「他に誰か、ここに来てる?」



またビクビクッと肩を跳ね上がらせてしまう不良さんたち。
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