黒曜の戦場


「マジか」



唖然としたみっちょんの呟きに、琥珀は未夜くんの緊張の理由がちょっとわからなくて。



「大丈夫だよ未夜くん、琥珀は怖いことしないからね?」

「そういうことじゃないわね」



未夜くんを励まそうとするも、どうやら何か違っていたらしい。むむ。

じゃあどういうことなのっ!?

なんで琥珀は緊張されちゃうの!?



するりと頭を優しく撫でてくれる未夜くんは、琥珀に向けていた視線を外してメンバーズを眺めると。



「琥珀のかわいいお願い、聞いてくれる?」



『咲くんのところに連れて行ってくださいっ!!』



その琥珀のお願いを、未夜くんは優先してくれた。

やっぱり、未夜くんはいい人だなぁ。















それから居場所を知っているらしい青ちんが、琥珀たちを咲くんといおくん……さらにいおくんを案内しているらしい赤ちんの所まで連れていってくれることになった。





そして










「やぁ、琥珀。デートは楽しい?」



案内係の青ちんと、未夜くんとみっちょんが話しているの後ろで。



「…………さっ!!……むぐ」



王子が女神をサラリと攫って、木の影に隠れたのでした。




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