黒曜の戦場


ど、どういう状況!!??



「おーミツハ。よく俺んとこまで辿り着いたな」

「なんでそんな呑気にソシャゲしてんのよ。ここまでは琥珀が――あれ?琥珀は?」



遠くから聞こえる声で、みっちょんたちがいおくんと合流したのだとわかる。

けれど、琥珀だけが、なんか、なぜか、どうしてなのか。



「駄目だよ琥珀ちゃん、みんなの死角にいちゃ。こんな風にまた攫われちゃうよ?」



逆光で紫の透ける黒髪が、さらりと揺れる。

いつの間にやら斜め上から見下ろす彼に背中を預けて、手で口を覆われ、見下ろされていた。



咲、くん!!???



ドクドクドク、と、びっくりしたからかその顔が近いからなのかわからない鼓動が、大きく琥珀の中を揺らす。



「いけないよねぇ。解ってていおりも煽ってくるんだもん」

「……」

「未夜は今、琥珀に一番近そうだから、心配になっちゃうのも仕方ないよね」



口から離されたその手が、頬を覆う。

きゅっと顔をあげられてしまえば、その美しいご尊顔と真っ向から見つめ合う体勢になり、顔が熱くなってきた。



「な、な、な、」

「今日の琥珀はいつもよりかわいいね。いつもかわいいけど」

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