黒曜の戦場


それは、みっちょんがいろいろ考えて琥珀に合うふぁっしょんを選んでくれたからだ。

まさか咲くんに見られるなんて一ミリも考えておらず、思考がショートする。



琥珀の話す隙間もないくらいに、なんだかすごく咲くんが褒めちぎってくる。

それも、超至近距離で。

おでこがくっついちゃいそうだ。



顔が、顔が熱い……!!!



スっと一瞬目元が細まったと思った次の瞬間には顔を離して、申し訳なさそうな顔している咲くんの顔が見えた。



「……あ、ごめん。気付くとすぐ一つのことに集中しちゃって。琥珀を目に焼き付けることで頭がいっぱいになってたよ」



なんだか、咲くんがおかしいぞ。

あれ、いつもこんなにストレートだったっけ?あれれ???



向き合って、持ち上げられている頬とは反対側の頬にすり寄られてしまえば、もう天に召されそうになる琥珀。

なんか、撫でられている猫の気持ちだ……。



頭の処理が追い付いてないよっ!!!!

どこから突っ込んでいけばいいのかわからないよっ!!!



「な、なんで咲くんがこんな所に……いや、それよりみんながっ」

「いおりに少しだけお願いしたの。二人にしてって」

「……二人に?て?」

「本当はこのまま、抜け出しちゃいたい所だけどね」

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