黒曜の戦場


とた、とた、とた、おぼつかない足取りは、咲くんの衝撃によるもの。

ほっ……ほっぺ……。

ほっぺが熱い。



「琥珀?」



近付いてのぞき込んで心配してくれる未夜くんに、さっきまでの咲くんが重なるように見えて。



琥珀は両手で視界を閉じた。

ないない、です。

きゃぱおーばー!!ですっ!!!



琥珀はその場で足をダムダムと足踏みする。

な、ど、ど、なっっっ!!??



「どうしたのよ琥珀。いおから聞いたけど、咲さんといたんでしょう?」

「ごめん琥珀、咲に釘刺されたんだよね?目を離さないようにって……いおりから聞いた」

「それにしてはなんか……反応おかしくない?」



みっちょんは足踏みを止めて抱きつく琥珀の頭をなでなでしてから、そのまま手をするりと琥珀の首に当てた。

「ふぃあ!!」なんて思わず声の出てしまう琥珀に、「首あっつ」とみっちょんが呟く。



「くすぐったいよ、みっちょん」

「ごめんごめん、でも赤いから。ちょっと休む?」



そう言われて思わず顔を上げた視界で、みっちょんの首に……なんか見える。

それは髪で隠れる位置だし、小さいけれど、赤くて……なんだろう、あざ?にしては赤い……。
< 321 / 505 >

この作品をシェア

pagetop