黒曜の戦場


ぼーっとその首を見つめていると、みっちょんは何か「はっ」と思い出したかのように、その首を隠した。



……隠した、ということは、それがあることを知っているということなんだ。



ぼーっと首を見つめるけれど、それがなんなのかよくわからない。



「琥珀、アイスを食べに行くわよ」

「あいす!!!!!???」



全てのモヤモヤなんて「アイス」の言葉でひとっ飛びして行った琥珀の頭にはもう、アイスのことしかない!

あいす!みんなであいす!!!るんるん!!



「ハァ?アイスだぁ?」

「日も上がって暖かい時間帯なんだから別にいいでしょ」



なぜか地図とにらめっこしていたいおくんが、みっちょんに向けて眉を顰める。



「パフェでも食べたいわ。奢りなさい」

「あー……バレた?」

「奢れ」

「へいへい」



意地悪そうにニヤニヤ笑っているいおくんたちの一方で、琥珀は未夜くんにごめんなさいをし合っていた。



「未夜くん、心配かけちゃった?」

「肝が冷えた」

「ひぁ!!ごめんなさい!!」

「でも俺たちが悪い。あれが咲じゃなかったら琥珀はまたなんかされる羽目になってた」

「な、なんか……」

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