黒曜の戦場
そんな時に、もっと早く未夜くんと出会えていたなら。
子供の時から琥珀が健康だったなら。
いやでも学区がたぶん違うから会えないかもしれないけど。
「ふっ」
吹き出す声に顔を上げれば、未夜くんは優しく笑っていた。
「ごめん、俺も琥珀と会えて嬉しかった」
よしよしと琥珀の頭を撫でてくれる。
されてばっかりじゃダメだと思って、琥珀も未夜くんの頭を撫でると、お互い撫で合っているような形になる。
ちょっと変な格好だ。
「……なんか知らないけど、あんたたち本当に仲良いわね。嫉妬しちゃいそう」
「みっちょんも大好きだよぉぉぉ」
「ちょ、鼻垂らしたまま抱きつかないでよっ」
優しすぎるみっちょん様は、なんだかんだ言っても琥珀のことを受け入れてくれる。
とっても素敵なお友達なの。らびゅー。
そんな私達三人の前に地図片手に偉そうに立ついおくん。
「んで?ミツハは?」
「は?何?」
「俺の事大好きじゃねぇの?」
……そんな、なんだかすごいことをこの流れでぶっ込んできた、いおくん。
……え?まって、え?