黒曜の戦場
「さ、咲くんは優しいよ」
「琥珀は俺の事、優しいと思ってくれてるんだ」
「うん!そ、そうなのよっ」
緊張を誤魔化すように、ニコッと笑う琥珀に、咲くんも笑ってくれる。
「──じゃあ、ごめんね。そんなイメージを壊してしまったら」
「え?」
視線が混じり合い、近付いてくる顔に、思わず琥珀は目をぎゅっと瞑ってしまう。
あぁ、こんなことしちゃ何も見えないし、逃げられなくなるのに。
……と、直後、手の甲にフニッとした感覚が当てられた。
ふに、ふに、何度もそこに感じる。
そろりと瞼を開いてみたら、そこにキスが落とされていて、艶かしい視線とバチッと合ってしまった。
今度は口を開けて舌先を出す所で──え、まって?
まって?なに、なん、な、な……!!?
「咲くっ……!!」
ぬるりとしたその感触は、手の甲に広く伸ばされたと思ったら、指の関節一つ一つにキスを落としていく。
指を、絡ませ合ったまま、琥珀の緊張はピークで。
いや、もう……な、な、舐め……られてた時点で、もう、いっぱいいっぱいなんて通り越していて。
関節にキスを終わえると、今度は溝を擽るように、またチロチロと舐めていく。
なんでっ!!!??
くすぐったいような……でもなんか変な気分になってくるのが琥珀的には問題で。