黒曜の戦場


「ふふっ汗かいた?」

「ひっ!?」



あせ……まさか汗の味がした……?



「は、恥ずかしいので、や、やめっ」

「いや?」

「いや、とかの問題じゃ……」

「じゃあ、おまけ」



咲くんは爪先にまでゆっくりと丁寧なキスを落としていく。



そして。



その指先を口の中に入れた。

食わ……れたっ……!!!



舌の感触がダイレクトに指先に伝い、

なんだこれ!なんだこれ!なんだこれ……!!!



琥珀のファーストペロちゃんも奪われてしまった……!!!


ざらついた感触が指先一本一本、丁寧に口の中で刺激されて行くのが、なんだかだんだん、変な感じになってきて。



いつの間にやら琥珀は、息を切らしていた。



「大丈夫?」



気付けば、呆然としていた琥珀に、起き上がってウェットティッシュを差し出してくれる咲くんがいて。

琥珀は……琥珀は食べられてしまう意味をほんの少し、理解したような気がした。



そうだ、今日の咲くんは、ちょっぴり意地悪なところもあったんだった──。














そして、あれから3日ほど、イチャイチャを探して読んでいる琥珀ちゃんは、前代未聞のパニック状態でここ三日ほどを過ごしておりました。

< 339 / 505 >

この作品をシェア

pagetop