黒曜の戦場


中々に評価が辛辣だった。

めっちゃモンエナ飲んで頑張ってるのに……そうか、作業遅いのか……絵に慣れてない人はそうなるよね。

それに、細かいはみ出しとかは、こだわりが強い人だとめちゃくちゃ気にする所だ。



「トーンは原稿用紙まで切らない繊細な奴らに入ってもらうんだけど、それでも男の指って太くてゴツイから繊細な作業とかみんな苦手でね」

「あぁ……」



なる、ほど。

指のサイズとか気にしたこと無かったけど、細かい作業って向く人向かない人ってやっぱりいるよね。



「とーん、て、あのシールみたいなやつですよね?」

「そうそう、服の柄とか、物の影とかに貼るシールのこと。それにデザインカッターが必要なんだけど」

「私の切り絵に反応したのはそれですね?」

「そうそう。デザインカッターに使い慣れてると助かるからね」



ふふっと綺麗に笑う彼は、昨日のことを思い返しているようだ。
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