黒曜の戦場


扉が開かなくなっちゃったのです。

何か引っかかっているのか、開こうとするとゴッゴッと音はする。



むむぅ、困った。ここは二階。

一階なら窓からぴょーんっって飛んで出られもしたけれど、二階となると飛んで降りられない。

手洗い場があるし、しばらくは水には困らないとしても、さすがに体育の後でお昼休みでお昼を食べていない琥珀ちゃん、とってもはらぺこあおむし。ぐぅ。



一番最初に琥珀が戻らないことに気付いてくれるのはきっとみっちょん。

それと、黒曜の子が同じクラスにどうやらいるらしく、普段はその子も琥珀のことを見守っててくれているらしいことを、いおくんから聞いている。



琥珀がいないことに気付いてくれるのも時間の問題だと思うけれど、みんなが探してくれるとしても範囲がわからないかもしれない。

体育の後、それから教室までの間……そのルートからここはちょっと外れた所にあるのだ。

お昼休みの時間にも限りがあるし、何より琥珀も時計を持っていない。



窓の外を眺めて、だれか来ないかなーっと眺めているも、道路を走っている車しか見当たらない。
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