黒曜の戦場
ということは、私はこの先その、とーんの作業もすることになりそうだ。
「うち、見ての通り脳筋が多いから。張り切って原稿用紙ごと切り抜いちゃう奴ばっかりなんだよね」
「納得しか出来なかった」
あかん、本音が漏れてしまった。
運転手さんが笑いを誤魔化そうとけほんけほんと咳をしているけれど、誤魔化せてないよ、バレバレだよ。
ていうかこの人、めっちゃこっちの話聞いてる割には話に入ってこないな??
咲くんが黒曜でいっちばん偉い人だから、気軽に話せない間柄とかなのかな。
私はめっちゃ話しちゃってるけど。
もう警戒心なんてあってないようなもんで、その話しやすさからほぼ私の心は開いてきてしまっていた。
これがいいのか悪いのか、よくわからないけれど。
「そもそも、なんであんな所で漫画を描いているんですか……?」
もう、なんかこの人には何聞いても答えてくれそうな気がして、直球で聞いてしまう。
もうすぐ倉庫に着きそうだし、そしたら聞きたいことも聞く時間がなくなってしまうかもしれないし。
「あー……それ、ね」