黒曜の戦場


そう聞いてみると、スマホを取り出した彼は「あ。」と何かに気付く。



「ほんとだ、捜索しろって通達来てた」

「通達!!?」



通達って何ですか!!?

え、みんな今琥珀のこと探してくれてるってこと!?



「今いおりさんに居場所伝えたんで、近くにいる奴がすぐ開けてくれると思います。俺もそこ行きますよ」

「……ほんと?」



彼はこくりと頷いてから、ふわりと笑った。



「今日、遅刻してきてよかったです」

「……それは、よかったのかなぁ……?」



彼も立派に不良さんしていたようです。








「琥珀!!!!」



ガキンッという大きな音の後、みっちょんのその大きな声が聞こえてから扉が開かれた。

閉じ込められていた時間はわからないけれど、大きな安堵感が胸いっぱいに広がる。



「よかった、みつかって……怪我は?水ぶっかけられたりはないわね?嫌なこと言われたり?」

「大丈夫だよみっちょん、なんかわからないけど閉じ込められちゃっただけ」



その後ろには咲くんやいおりさんもいて、私が白髪くんにお願いをしてから五分も経たずに駆けつけてくれた。

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