黒曜の戦場


凄まじい勢いでそれを取って開いたみっちょんの額に、青筋が立つのが見えて、琥珀は「ひえっ」と弱弱しい声を漏らした。



「琥珀、これいつ?」

「……二時限の終わり頃、です」

「移動教室の後ね。どこが呪いの手紙よ、脅迫文じゃない。あとセコムじゃねぇよぶっころしていい?」

「みっちょん、お口が!お口が悪くなってるよっ!!」

「ここ、なんか紙が剥がれてるの何?」

「あ、そこはカッターが挟まってたから、処理機に──」

「「「カッター!!?」」」



ぴぃ!!!

みんなの視線が一気に怖くなりました。



ガッと、素早い動きで琥珀の手を掴んだ咲くんが、琥珀の手をまじまじと端から端まで確認する。



「……あの、刺さってないよ?」

「念の為消毒しに行こう」



真剣なその真っ直ぐとした眼差しに、ドクンドクン、琥珀の胸がまた騒ぎ出す。



「どうも俺に執着してる子っぽいから、そういう子片っ端から当たっていけばそのうち……」

「お前悪いこと考えてそうだから却下」

「こんなことされて黙ってられないからね」



その笑みは一体何に対しての笑みなんでしょうか。

一瞬背筋がぞぞぞってした。

< 354 / 505 >

この作品をシェア

pagetop