黒曜の戦場
凄まじい勢いでそれを取って開いたみっちょんの額に、青筋が立つのが見えて、琥珀は「ひえっ」と弱弱しい声を漏らした。
「琥珀、これいつ?」
「……二時限の終わり頃、です」
「移動教室の後ね。どこが呪いの手紙よ、脅迫文じゃない。あとセコムじゃねぇよぶっころしていい?」
「みっちょん、お口が!お口が悪くなってるよっ!!」
「ここ、なんか紙が剥がれてるの何?」
「あ、そこはカッターが挟まってたから、処理機に──」
「「「カッター!!?」」」
ぴぃ!!!
みんなの視線が一気に怖くなりました。
ガッと、素早い動きで琥珀の手を掴んだ咲くんが、琥珀の手をまじまじと端から端まで確認する。
「……あの、刺さってないよ?」
「念の為消毒しに行こう」
真剣なその真っ直ぐとした眼差しに、ドクンドクン、琥珀の胸がまた騒ぎ出す。
「どうも俺に執着してる子っぽいから、そういう子片っ端から当たっていけばそのうち……」
「お前悪いこと考えてそうだから却下」
「こんなことされて黙ってられないからね」
その笑みは一体何に対しての笑みなんでしょうか。
一瞬背筋がぞぞぞってした。