黒曜の戦場
「俺の気持ちとリンクしたようだった。スッと胸の中に入ってきて、忘れられなかった」
私の作品と、咲くんの気持ちがリンクした……?
聞きたいことは色々あった。
リセットしたいってどういうこと?
咲くんの気持ちって?
そう、思いはしたけれど。
「琥珀の絵が、間違えそうだった俺を止めてくれて、それからしばらく俺は琥珀のこと、調べてたんだよ」
「……調べてた?」
え、何?
調べるって何……?
「でも話したことも接点もなくて、これでも俺、一年くらいは片思いしてたんだよ」
咲くんが何の話をしているのか、だんだんわからなくなってくる。
片思い?片思いって……え?
「だから絶対に失敗したくないんだけど、最近少し欲が出てきちゃった。ごめんね」
そう微笑む彼は、いつもより少し照れているような顔で、涙にまみれた琥珀の顔を覗き込む。
混乱が混乱を呼んで、さらに解らなくなる琥珀。
「だから琥珀、俺は知りたいんだよ。琥珀の気持ち、もっと聞かせて?」
呼吸が、息が、しにくくなる。
とくとくとく、脈が速くなっていく。