黒曜の戦場
4.ホラー展開やめてくれません?
その部屋の雰囲気と言えば、それはもう最悪of最悪というか。
極寒というか、極道というか、ホラー映画というか。
「ア゙ァン?」
「すみませんすみませんすみません!!!」
一体この部屋で何が起きていたというのか。
私は扉を開けられその怒号が聞こえた瞬間に、背筋が凍って足がすくみ、全身鳥肌だらけで立ち尽くして、その光景を見つめていた。
それは昨日の信号の黄色髪さんと、グレーアッシュ髪の背景の人……もちろん鬼のような顔で迫っているのは背景の人の方であった。
「あー……ごめんね琥珀ちゃん、なんかトラブったかもしれないから、奥の部屋に避難してもらってていい?」
「ひなん……」
避難が、必要なことなのか……??
背中を押されて、昨日男二人が絡んでクロッキーされていた部屋へと連れていかれるけれど……大丈夫?
ここ開いたらまた二人で絡んでる姿とか見せられないよね??
私、まだ新しい扉を開く気はありませんけれど……。
開かれた扉の奥には、一人しかいなかった。
昨日クロッキーしていた、オレンジ頭のその人である。