黒曜の戦場


衝撃の事実に、ぼーっと突っ立っていると、ガチャリという音と共に、その部屋から彼が現れた。

咲くん専用のお部屋から出てくるのは、彼しかいない。



「あれ、琥珀ちゃん。そんなところでどうしたの?」



例のお部屋から顔を出した咲くん。

そして私は、咲くんには聞きたいことがたくさんできたのだった。



「咲くんっお話があります!たくさんたります!」

「琥珀ちゃんから?たくさん?」

「咲くんにしか頼めないことだし咲くんに聞きたいことなんですっ」



むむむっとした顔で咲くんを見つめるも、いつもよりふわりとしたにこやかな笑みを見せてくる咲くんに、なにかすれ違いを感じる。

この琥珀のむむっとした顔がみえていないのでしょうかっ!?むむっ!!



「お前怒るのとお願いするんので中途半端な顔してんな」

「困った顔みたいになってる」

「いや、ゴネてる顔だろ」

「作業場来てまで顔芸しないでくれる?」



がーん!!琥珀ちゃんだって女の子なのに!

お顔のことでそんなに言われたらちょっと涙がちょちょぎれちゃうじゃないか!!

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