黒曜の戦場
「そうだね、これとか君を縛り付けているものかもね」
「……でも、黒曜に入ったことは後悔してないの」
「みんな優しくていい子でしょ?」
「そうなの、みんな琥珀に優しくしてくれて……怖がられてるなんて、見えなくて……」
あぁ、琥珀の不安はここにあったのか。
怖がられてるなんて聞いちゃったから、琥珀ほんとはみんなと仲良くなれないのかなって。
話しているうちに、考えていることがまとまってくる。
ぼんやりとしていた不安はここにあって、本当に?って、仲良くなれてなかったのかなって、怖くなってきて。
琥珀、そういう距離感みたいなものを測るのが下手くそだから……。
「うちの連中の怖いは、尊敬でもあるから大丈夫」
大丈夫……咲くんに大丈夫と言われると、不思議と安心してくる。
「怖がられているのは実際、俺といおりでしょ?琥珀はなにも怖いことしてないよね」
「……う、うん」
「琥珀自体が怖いんじゃなくて、後ろにいる俺といおりを怒らせたら、そしたら怖くなるんだよ」
咲くんも、怒ったら怖い……のだろうか。
実際に向けられたことがないから、わからないけれど。