黒曜の戦場


最近、ふと作業に入ったりすると、よくぼーっとする。

それは……あの、咲くんのことがよく……ぼっと浮かんできてしまっていて。

みっちょんに言おうかナイショにしておこうかって考えてる時も、ぼーっとしちゃっている。



でも、気付かれてしまったからには……言うべきだろうか?

ちょっととってもすごく言いにくいけれど。

琥珀ひとりで悩んでても……終わりが来る気がしない。



琥珀は琥珀の気持ちがわからない。

そして、咲くんの気持ちもわからない……。



「あ、あの……」

「うん」

「ち、ちぅはレモン味じゃなかった……」

「は?」


数秒、みっちょんの頭の上でハテナが回る。

ついでにレモンも回る回る。



そして。



「ちょっとあの男殴りに行ってくるわ」



みっちょんは過激派だった。



「ま、ま、ま、待って待って待って」

「何考えてんだあの似非王子」

「待って待って待っ……だからなんでわかるの!!?」

「琥珀が鈍いのよ!」


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