黒曜の戦場


みっちょんの腕をギューッと掴んで止めたい琥珀、そのままずるずると引きずられていく。

弱い!琥珀の力弱い!!!

誰かっへるぷみー!!!



「ち、ちがっ!!琥珀はレモンの話をしてただけでっ」

「アンタそんなホイホイキスされてんじゃないわよ!自覚してんならともかく!」

「む、むりだったんだもん!!!」



避けられないし、近付かれちゃうとなんか見とれちゃうんだよ、咲くんの顔!!!

ていうか、き、きすって……恥ずかしいから口に出さないでぇぇぇ!!

学校で晒さないでぇぇぇ!!!



「ど、どこ行く気!?」

「屋上」

「琥珀このまま引きずられて階段登られたら、お顔ガンガンぶつけちゃう!!!」



わーわーとそんな風に騒いでいると、『咲くん咲くん』と柔らかい声が聞こえて来て、動きが止まる。

声のした方を向けば、何やら人だかりが出来ていて。

中心にいる人物は何やら窓辺にいるようだった。



「咲くん、今日は放課後予定あるの?」「いつも外を眺めて何を見ているの?」「ところであの噂の女とはあれ以来何もないみたいに見えるんだけど……結局二人は」


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