黒曜の戦場


呆れた顔してそう言われるけれど、話しておいてなんだけど、琥珀も心の準備ってもんが出来ていないのだ。

だからいっぱいいっぱいになっていて、相談しているんだけれど。



「欲情したんじゃねぇの?」

「よくっ…………」



そんないおくんからの答えに、ふらり、琥珀は目眩がして額に手をあてるのでした。

よくっ…………!!?

琥珀に!!?

この、琥珀ちゃんに!!?

あのモテモテ咲くんがっ!!?

なくない!?それはなくない!!?



ないないない!

ダメだ、相談相手を完全に間違えた。

琥珀ちゃんは顔の前に腕で大きくばってんをつくって下を向いた。

もう無理、もうダメ、琥珀ちゃんはキャパオーバーで倒れちゃいそうです!!!(早い)



「咲だろ?」

「ごめんなさい相談する相手間違えましたっ!!!」

「ヒデェなオイ。ちゃんと聴いてやってんだろ」



耳をほじほじしながらどかりと椅子に座っているいおくんは、本当に話を聞く気があるのかないのか。



「ないんだってば!」

「なんでだよ?キスされたから、んな悩んでミツハとも喧嘩してグルグルしてんだろうが」

「間違ってないけど、間違ってる!」

< 420 / 505 >

この作品をシェア

pagetop